注目される?
川崎大師に行ってきました。帰りに近くを通るので寄ってみました。正月に行かなかったからです。
人がいませんね。数人です。正月とは大違い。好きなところ歩けますよ。自由に見て回れるので、気分よく歩いて行くのでした。でもそれが、居心地の悪いことになってしまうのでした。
仲見世通りに入ると「せき止め飴にさらし飴はいかがですか」「お一つ食べていってください」「おまんじゅうはいかがでしょうか」「だるま煎餅です」「どうぞ寄っていってください」と、道の両脇から声をかけられまくるのでした。私の前後には誰もいません。私を狙っているのです。
お店の中から店員さんたちの熱い視線が左右から、殺気のように私を突き刺し捕らえようとしているのがわかります。どうせなら、すてきな女性からあなたが好き、みたいな視線であればと思うのです(それはありえない)。
皆の注目、期待(?)を一心に集めて歩くというのは、薄い存在の私には空気が厚すぎます。
静かな境内にたどり着きお参りを済ませます。遍路大師尊像、新四国八十八ヵ所霊場などにもお参りしました。池のカメは甲羅干しをしていました。カメって冬眠するんじゃなかったっけ?
帰り、山門をくぐったとたん来るときのことを思い出しました。結界を越えて、俗世に戻ってくると待っているのは現実。彼らにとって私を捕らえる最後チャンスです。右にまがってぐるりと回って帰ることが頭に浮かびます。しかし、大きな力に引き寄せられてしまうのでした。
やはり勝負をかけてきた。声が大きい。「おみやげにどうぞ」「記念にいかがですか」まで出てきた。手ごわい。緊張のあまり右手と右足がいっしょに出そうになる。その自分に気が付きおかしくなる。笑いたいけど、一人で笑って歩いてるのもヘンなので、奥歯を噛んでがまんするのでした。
買ってしまおうか、どうしようか。お金を落としていくのも、と私は揺さぶられます。でも、私はただ通りすごしたのでした。これで皆引き分け。だれも私を捕まえられなかったのですから。
そして、お大師さまのご加護の下、帰るのでした。
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