楽しい読書のきっかけ
「中学生はこれを読め」 書店主が推薦リスト、全国波及-asahi.com
中学生のころ、読書をした記憶はほとんどありません。その数少ない読書の記憶といえば、夏休みの宿題で読書感想文を書くために読んだ程度です。その本のタイトルは覚えていません。
仕方なく読むほどつまらない読書はありません。宿題などもっとも苦痛の部類です。中学生が本を読まないと言いますが、こんな体験も読書離れの一因かと思います。作文もそう。ろくに文章の書き方も教えない癖に書けといわれても書けるものではありません。
私が本を読むようになったのは大学に入学してからでした。一般教養の選択科目の一つを履修したのがきっかけです。その教科の先生は、科目の名目である講義の話は滅多にされませんでした。毎回、先生は本が入った風呂敷包みを二つぶらさげ教室にやってきて、本の選び方の講義?ばかりでした。
始めの頃は、いつ本題に入るのかと不審に思っていましたが、やがて先生の本の話に興味を持つようになってしまいました。
社会問題、科学、哲学、政治、経済それから会社に入ったら何を学ぶかなどなど多義にわたる問題に、どのような本を読むことが参考になり、問題解決の糸口を見出すヒントになるかを、先生は風呂敷から具体的な本を取り出し解説してくれ、その問題についての本選びのポイントを教えていただきました。そのうちこれは、いろんな問題に出くわしても何とかなるんじゃないかと思うようになり、一層関心を持つようになりました。
問題と言うと大袈裟もしれませんが、誰しも大なり、小なり持っているはずです。例えば、仕事でもいいですし、趣味でもかまいません。その問題を解決でき、更に知的好奇心を満足できるとしたらどうでしょうか。楽しいに違いありません。先生の講義は本によって、その楽しさと有意義さを教えてくださるものでした。
確かに、本屋さんで漠然と中学生向けの本を探すとなると厄介に違いありません。その点、中学生向けのコーナーを設けるのはいいことだと思います。私はさらに、中学生に自ら進んで本を読む楽しさと本の探し方の提案ができ、それによって専用コーナーがなくとも本を手にするようになれればと考えます。
何にせよ人から言われてするのは、いまひとつ面白くありません。自分で気が付いた。自分で気が付いたような感じで自ら進んで取り組むのが楽しいものです。
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